男女問わず、腎、尿管、膀胱、更に男性においては、前立腺、尿道、精巣(睾丸)、陰茎等の尿路、生殖器を診療対象としております。治療方法の選択は皆様の考えが重要です。


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Urology
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男女問わず、腎、尿管、膀胱、更に男性においては、前立腺、尿道、精巣(睾丸)、陰茎等の尿路、生殖器を診療対象としております。治療方法の選択は皆様の考えが重要です。
以下、日常接する頻度が多い、重要な疾患・症状についておおよその診療の考えをお話させていただきます。
尿路結石症とは尿の通り道(腎臓 尿管 膀胱 尿道)にできた石の病気です。結石の症状は無症状であり、偶然検査で見つかることもあれば、背中・わき腹・下腹部に激しい痛みが出て見つかることもあります。
また、尿の濁りや血尿を認めることもあります。炎症を起こし熱が出る場合もあり、この場合はまず炎症を改善することが優先され、抗生剤投与や尿管ステント留置、腎瘻造設などを緊急で行うこともあります。治療としては小さい結石であれば内服薬などで対応しますが、結石の大きさが10mm以上の場合や10mm未満でも同じ場所から動かない場合には手術的治療が必要となり、体外衝撃波破砕術(ESWL)、経尿道的腎尿管砕石術(TUL)をおこないます。
体外から衝撃波を結石に当て細かく壊す治療です。この治療のメリットは、麻酔をすることなく鎮痛剤を使用して治療することが可能で1泊入院という手軽さです。当院では最新のドルニエ社製ESWL装置を導入しております。
体外衝撃波結石破砕治療の詳細はこちら
前立腺がん、膀胱腫瘍(がん)、腎腫瘍(がん)、腎盂尿管腫瘍(がん)、精巣腫瘍(がん)陰茎腫瘍(がん)が主な対象となります。放射線照射療法(体外照射)も可能で治療の選択が広いことも特徴です。
早期前立腺がんは症状がありませんが、前立腺健診(PSA採血検査)による検診が一般的となり、早期がんと診断される方が多くなっています。
PSA高値の場合、前立腺触診所見、経直腸超音波検査等の所見を考慮し、がん確定に必要な前立腺生検(経会陰針生検、硬膜外麻酔)を行うことを本人と相談の上決定します。
早期前立腺がんが発見された場合の治療法は以下となり、併用することもあります。
それぞれの利点欠点を十分に説明し、治療法を選択して頂きます。
膀胱がんは尿を貯めて排出する役割を持つ膀胱という臓器にできるがんです。男性は女性の約3倍、喫煙者は非喫煙者の2~3倍の発生率といわれています。自覚症状のない血尿が出た際には注意が必要です。膀胱がんの約80%は膀胱粘膜表面付近にできる表在性のものです。検査として超音波(エコー)や尿道よりカメラを挿入して観察する膀胱鏡があります。
当院では痛みの少ない軟性膀胱鏡を用いています。他には体内を詳しく調べるCTや磁石の作用を利用したMRIという画像検査があります。
最初の対応として診断と治療をかねた経尿道的膀胱腫瘍切除術をまず行います。下半身の麻酔で約1時間程度です。表在性の膀胱がんであればこの内視鏡的治療でほぼ根治的切除が期待できます。しかし膀胱内の再発は多く、再発する可能性が高い方には術後外来で抗がん剤やBCGという薬液を膀胱内に注入することもあります。他の臓器への転移はないものの膀胱内で進行した膀胱がん(膀胱の筋層以上に広がる浸潤性のもの)は内視鏡では完全には切除できないため、全身麻酔で行う膀胱全摘術が必要となります。この場合、尿をためる膀胱がなくなるため尿路変向術(回腸導管、代用膀胱など)という排尿路をあらたに作る手術も同時に行うため大きな手術となります。
転移がある場合やその可能性が高い場合(膀胱摘出の手術前後)に抗癌剤を点滴で投与することもあります。
腎腫瘍はがんのことが多く、中でも腎細胞癌が一番多い組織型です。最近では、人間ドックや、検診などの際に腹部超音波検査(腹部エコー)で無症状で見つかるケースがあり、ほとんどが早期がんです。治療は摘出手術が第一選択です。早期の場合は完治率がとても高く、再発率10~30%前後です。腎周囲組織ごと摘出する全摘術と腫瘍を含めた一部を摘出する部分切除術があります。以前は開腹手術を行っていましたが、医療技術の進歩に伴い、最近では鏡視下による手術が低侵襲で盛んに行われています。 当院でも導入しています。小さい腫瘍の場合は部分切除術を行い、腎機能を温存しています。また転移のある進行がんでも、抗がん剤による長期生存も期待できるようになっています。腎腫瘍を疑われた場合は泌尿器科専門医に受診しましょう。