慢性痛とは疼痛が3カ月以上継続した状態を一般的にさします。慢性痛の実態調査を行った国内の研究では、国民の約2千万人以上が何らかの慢性疼痛を有していることが明らかになっています。また、その大半が運動器に関連するものであることも報告されています。
しかしながら、患者さんが運動器疼痛の専門である整形外科を受診しても、十分な診察、検査、病状の説明を受けられずに不満を感じたり、手術の必要がないなどの理由で治療の相談をしてもらえなかったなどの経験をなさっている場合があることも事実です。
痛みのために運動が出来ない、あるいは、余計に痛みを悪化させないかと不安で運動が出来ない状態でいると、気持ちが沈んだり、抑うつ状態が生じたりすることがあります。そのような期間が長くなると、次第に筋肉が衰え、関節が固くなるなど新たな症状が出現し、さらに運動が困難になるといった悪循環に陥ることが考えられます。
近年このような悪循環を断って最終的には日常生活動作(ADL)を改善、あるいは、お仕事を諦めていた方は再就職を目標として、多職種の医療スタッフ(整形外科医師、臨床心理士、看護師、理学療法士、薬剤師、栄養士、麻酔科医師など)による多面的な治療が行われるようになってきています。
当院では2018年から慢性運動器疼痛外来を設けています。皆様のADLを少しでも改善出来る一助となるようアドバイス、治療を行っております。’身体’と’心’の両面からのケアをご希望の方は受診してみてください。
※初診時には診察時間を特に要しますので完全予約制となっております。また、交通事故や労災で現在、治療中の方は対象外とさせていただいております。