新しいMRI(核磁気共鳴画像診断装置)導入の裏側
当時まだ旧病院だった2011年12月に設置の MRI(1.5T『ECHELON RX』富士フィルム社製)が導入から15年半経過することから
最新機種(1.5T『Vantage Fortian』Canon社製)へ更新することとなりました。
MRIは大変高価な医療機器であり、作業には特殊な工程を数多く要します。
この貴重な一大イベントを、是非皆さまにもご覧いただけますよう、工事の様子を更新してまいります。
現行MRIの稼働停止
消磁
今回、日程の都合で消磁の様子を撮影できませんでした。
写真は筐体を外され丸裸になったマグネットです。こんなに大きなマグネットが使われているのですね。
というわけで、MRI室は装置内の「超電導磁石」が非常に強い磁場を検査中以外でも24時間365日、常に発生させています。(1.5T(テスラ)で地球の磁場の約3万倍!)消磁とは、その強力な磁場を徐々に下げて消滅させることです。
このように非常に強い磁場を持つMRI室には、金属や磁性体などの「磁石がくっつく素材の物」は全て持ち込み厳禁となっています。万が一持ち込んでしまうと、MRIの中に高速で引き寄せられてしまい、大変危険なのです。
実際に、国内外では次のような事故が起きています。
● 非磁性体ではない車イスを室内に持ち込み、MRIに吸着した。
● 酸素ボンベがMRIに向かって飛んでいき、MRI内にいた患者が挟まれ死亡した。
これら重大事故以外にも、ヘアピンや使い捨てカイロなど小さなものの吸着事故も発生しています。また、カラーコンタクトやアートメイクなどもMRIでは発熱・火傷の可能性があるものがありますし、ペースメーカーや人工関節、金属製ステントなど体内に埋め込まれている金属についても必ず医師や放射線技師にお申し出ください。
今回は少し話が逸れましたが、MRI室に一歩入ると、目には見えませんが強力な磁場です。MRI検査の前には注意事項を必ずお守りいただき、安全に検査を受けていただきますよう、お願いいたします。
MRI室の改修も始まる
部屋全体がシールドされていた
令和8年4月14日
旧機とさよならをして、いよいよMRI室の改修が始まりました。
壁紙を剥がし、天井や壁のボードを外すと、そこは全て金属板でシールドされていました。MRI室はシールドが必須です。
MRIから発生する磁力・電波が外へ漏洩しないように遮蔽するためと、その逆に外部からの電波が侵入することで画像にノイズが発生するのを防ぐために確実なシールド施工が必要なのです。今回はMRIを入れ替えるだけでなく、MRI室のシールドまで丸ごと新しくする大掛かりな工事です。
作業員の皆さまがとにかく仕事が早い(なのに丁寧!)ため、撮影が追いつかない部分もありますが、YouTubeショートにも随時アップしていきます。
MRI室拡張
令和8年4月17日
廃材がキレイに撤去されると、そこには広い空間が。
今回新しいMRIを導入するために、隣にあった倉庫を潰してMRI室を拡張しました。画面右側の段差がある先が拡張部分です。
MRIはお身体に直接何かをするような検査ではありませんが、筒状の中に入ることに不安や緊張をされる方もおられます。そういった方にもリラックスして検査を受けていただけるよう、内装も一新されます。
新しいシールド
令和8年4月24日
過去の投稿と少し重複しますが、内装撤去〜石膏ボードの張替えが完了。
新しい磁気シールドの施工が始まりました。
このあとさらに電波シールドも施工されるのですが、タイミングが合わず撮影できませんでした。(残念)
今回もしっかりとシールド施工し、磁気・電波の漏洩、ノイズの侵入を遮蔽して安全な環境、精度の高い検査をおこなえるようにしています。
ついに新機搬入
まずは周辺機器から
令和8年5月6日
ゴールデンウイーク最終日。当院の外来診療もお休みの中、大勢の方が休日返上で搬入作業にお越しくださいました。
MRIは検査の際に目にする大きなドーナツ状の本体と、患者さんが横になる寝台だけでなく、別室に様々な機材が必要です。MRIを入れてしまうと、それらが通れなくなってしまうので先に周辺機材の搬入から始まりました。
搬入作業は大掛かり&長時間ですので、分割の動画にしています。