診療科・部門

Urinary Calculi Center

Lithotripsy and Recurrence Prevention

結石破砕・再発予防センター

受付時間

【午前】月曜〜土曜 8:30〜12:00  
※初診の方は11:30まで
【午後】月曜〜金曜 14:00〜15:30  
※土曜午後は休診

結石を取り除いておしまいにせず
再発予防の丁寧なトータルケアで完治を目指します

当院の泌尿器科では尿路結石でお悩みの方を対象に専門治療を行うため、「結石破砕・再発予防センター」を開設し、診療を行っています。

   

当センターの目指すところ

 食生活の欧米化や生活習慣の変化に伴い、尿路結石の罹患率は増加の一途を辿っています。さらには、結石治療後の再発率は5年で50%とも言われていますが、今まで医療者側は結石の破砕ばかりに目を向け、破砕のための道具や技術は向上したものの、砕石後の対応についてはあまり積極的とは言えませんでした。この再発率の高さを改めて見直してみると、こういった実態を蔑ろにはできないと感じずにはいられません。

 当院では、結石破砕治療のさらなる発展はもちろんのこと、再発予防としての取り組みに力を入れております。具体的には再発予防のための評価としての詳細な問診、血液・尿検査、結石成分分析などをおこない、尿路結石に罹患しやすい兆候の把握を心がけております。それらを踏まえてさらに再発の危険のある患者さんに対しては、血液ガス分析や24時間蓄尿による尿生化学検査などをおこなうことで、再発予防のための治療や指導へ結びつけていきます。なかには糖尿病や高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病が隠れていることもあり、それらの疾患があれば内科的対応と連携していくというワンストップ体制も整えております。

 1980年代日本で最初の体外衝撃波の導入に始まり、2000年代からはレーザーでの砕石治療等、開院当初から当科は結石破砕に力を入れ、長年対応してきましたが、あらためてこのタイミングで結石破砕・再発予防センターを開設することにより、近隣の皆様に当院の取り組みを再度ご認知いただいた上で、初診から術後のFollow upまで一貫して積極的に関わることで、今まで以上に患者さんの健康増進の一助になれればと考えております。

結石破砕・再発予防センター長

富田 光

   

尿路結石と罹患率・再発率

 腎臓から尿管、膀胱、尿道までを総じて尿路と呼び、その中に生じる結石を「尿路結石」といいます。

 結石が大きくなると耐え難い痛みを生じます。結石のできやすさは体質や生活習慣によるところが大きく、それらを改善しなければ何度でも再発を繰り返してしまいます。ですから、結石を取り除いたからおしまいではなく、再発予防に取り組むことが非常に大切な要素となっています。

尿路結石の位置ごとの名称  

上部尿路結石の年間罹患率の推移

女性に比べ男性の増加率が著しく、1965年から2005年の40年で3倍にも増加しています。

腎臓結石再発率

再発率は5年で50%近くにもなります。結石ができやすい体質や生活習慣を改善しないと何度も再発してしまいます。

当院でおこなう結石破砕治療の種類

尿路結石に対する破砕法にはさまざまありますが、まずは破砕法が適応かどうか、どの破砕法を採用するかは、結石のある部位や大きさ、患者さんの状態(体型や合併症の有無など)を十分に考慮した上でご提案いたします。

ESWL -体外衝撃波結石破砕装置-

最新の結石破砕装置 ドルニエ社 DELTA Ⅲ Pro

©️2025 Dornier MedTech, All rights reserved.

当院では最新の結石破砕装置 ドルニエ社 DELTA Ⅲ Pro を群馬県で初めて導入しています。

体外衝撃波破砕術(Extracorporeal Shock Wave Lithotripsy)とは、尿路結石を外科手術せずに体の外から衝撃波をあて、筋肉や他の臓器に傷をつけることなく結石を粉々に砕き、対外に排出する治療法です。砂状に破砕された結石は尿とともに自然に体外に排出されます。多少の傷みがある治療ですが、10mm前後の大きさであれば良好な治療効果が期待できます。1回の治療で結石がなくなる場合もあれば、数回必要となる場合もあります。当院では合併症(血尿や尿路感染症)のチェックや治療後の経過観察のため、原則1泊2日入院でおこなっています。

TUL -経尿道的尿管結石破砕術-

軟性鏡の写真

軟性鏡

画像提供:オリンパスマーケティング株式会社

硬性鏡の写真

硬性鏡

 

NGageの画像

NGage ニチノール結石除去装置

Courtesty of Cook Medical

全身麻酔または脊椎麻酔で尿道から挿入した細い内視鏡で結石を確認しながらレーザーで破砕し、バスケットカテーテル(結石を除去する装置)を用いて摘出します。尿路結石を安全かつ確実に破砕・回収する手術方法です。従来の硬い尿管鏡(硬性尿管鏡)に加え、機能性が高く柔らかい内視鏡(軟性尿管鏡)を用いることで、尿管結石だけでなく腎臓結石も治療が可能です。結石の硬さを問わず破砕が可能ですが、結石が大きく1回で破砕摘出できない場合や尿管が細く内視鏡が挿入できない場合もあります。入院期間は4〜5日となります。

レーザー装置

©️2025 Dornier MedTech, All rights reserved.

レーザーによる結石破砕

 

リトクラスト

©️2025 Boston Scientific Corporation.Aii rights reserved.

TULで結石を破砕するにはレーザーの他に、リソクラストという空気衝撃波で結石を破砕する方法もあります。

再発予防の取り組み

再発予防の流れ

 尿路結石は身体の状態や生活習慣に起因するところが大きく、それらの根本的な改善をしないと結石破砕治療をしても再発を繰り返す可能性があります。

人間が味わう痛みでかなり強いレベルとされる尿路結石の再発予防は専門的フォローが不可欠です。

結石破砕治療だけでなく、結石ができた背景を丁寧に探り、必要に応じて再発予防の指導・治療をおこないます。その中で生活習慣病が発見された際には、内科との連携により適切な治療をすることで完治を目指していきます。

善衆会病院 結石破砕・再発予防センター

<診療時間>
【午前】月曜〜土曜 8:30〜12:00

※初診の方は11:30までにお越しください


【午後】月曜〜金曜 14:00〜15:30 (土曜午後は休診)

※原則予約制ですが、多少お待ちいただけるなら予約外の方も随時受付けております。急患は事前にご連絡ください。

※外来時間、外来担当医師は変更になる場合があります。再診の情報はホームページでご確認ください。

 

■お問い合わせ 

TEL. 027-261-5410(代表)